あそあそ自然学校のある浅生(あそう)について |
浅生は典型的な過疎の村です。標高300m。 水道はない。携帯電話も通じない。新聞朝刊は郵便屋さんが午後配達する。 不便と思う人にはめちゃ不便。 昔ながらの山里だけど、田んぼの耕作は年々減り、もう私の家一軒だけに・・・ 田植えも手植え。コンクリートでないあぜ道、小川。ぎゃわず(蛙)もまだまだいっぱいいます。蛍やアカベラ(ニホンイモリ)も。そしてたま〜にマムシも。 生計は炭焼きと田んぼ。ウンチもリサイクル。そんな生活が鎌倉時代より続いてきた。 |
あそあそ自然学校の設立趣旨 |
親の田んぼ仕事、山仕事を見て育った自分。手伝いしてたのか、遊んでいたのかわからない自分がいる。でも、遊んでいたにせよ、農生活空間で遊んでいたということが自分にとって貴重な財産となっている。 あそあそ自然学校では、自然の中にあるものから生活に必要なものを自分でつくりあげるという、百姓的手仕事をコンセプトにプログラムを組んでいる。何のための遊びと学びか。自分にもできる自信と自分らしさを大切にする遊びと学び。自然とコミュニケーションする強制のないスローな時間と空間、それがあそあそ自然学校です。 スローな生活で、学力は大丈夫か? ちなみに、下浅生地区に平成まで残った5軒の内3軒が東京大学です。もしかしたら、日本の中でもっとも東大合格率の高い集落かもしれません。東大だからどうのこうのではないが、自然が学力に阻害的に働くことはないようです。 ■設立経緯■ 近年子どもたちの自然体験率が低下しているが、 自然の持つ摂理という「正しさ」に触れることは、 子どもたちが生きる力や考える力を育む上での基層となる。正しさのないところでは、子どもたちはそれを見抜きしらけ拒否反応を示すか、無理に通せば思考停止してしまうだろう。生きる力や考える力を育む上で最も重要な「自発性」を、自然という正しさの中で子どもたち自身の五感で見つけてほしい。 私たちは、上市町浅生地区に引き継がれてきた自然や農業文化を活かし、農生活空間を遊びと学びの場とする自然体験活動を行うために、自然学校を設立します。廃村の危機にある浅生地区の地域資源に感謝し、再発見し、次代に引き継いでいくために、自然学校を設立します。また、子どもたちが自然の中で”それぞれの何か”を発見することをサポートします。子どもたちにとって多元的で多様な原体験の場づくりをすることで、地域貢献します。子どもが社会に主体的に参加することを応援します。 私谷口は持続可能な社会を構築したいと考えていますが、持続可能な社会とは、空間的な公平性と時間的な公平性のある社会です。空間的な公平性とは、南北問題にも代表されるかもしれませんが現代での今時点での不公平ということにもなるでしょう。時間的な公平性とは、日本の政府借金にも代表されるかもしれませんが、世代間の不公平です。私の考える公平は、努力したものが報われる、未来への蓄積をしたものが報われる社会です。 浅生地区では、田んぼや森林など「生産活動」が行われてきました。来年のために、田んぼの石や稗を少しでも取り除いたり、孫のために、スギの木を植えたり。農林業は、例えば春(今)苦労して、秋(収穫時・未来)にハッピーを得ることです。 先人の未来へ「時間を蓄積する」という当たり前の魂の根付いた浅生地区を引き継ぐことが、ささやかでも日本の未来をつくることになると確信します。また、消費というキリギリス的な価値感ではなく、生産というアリ的な価値観を次代に引き継いでいくために、子どもたちへの自然環境教育や他にはない創造的な教育を行っていきます。 (東日本大震災での再スタート) 東日本大震災、そして東京電力原発事故、毎日胸がつぶれる思いです。 子どもたちにも恥ずかしくない社会を未来に引き継いでいくために、私自身も個人として未来への責任を果たしていきたいと考えていますが、あそあそ自然学校だからこそできる未来づくりがあると心に刻んでいるところです。 あそあそ自然学校のミッションは、"自分で考え行動する人づくり”です。 これまでも、子どもたちひとりひとりの未来づくりを応援してきたつもりです。 今後も、あそあそ自然学校では、子どもたちひとりひとりの「笑顔」を羅針盤として活動していくことを決意しました。 今現在の笑顔とともに、笑顔が未来へと続くことを切に願いながら。 平成23年3月31日 谷口新一 あそあそ自然学校は、希望の場所、未来を感じることができる場所として真摯に活動に取り組みます。 ■ミッション■ 感動体験を子どもたちに。一人でも多くの子どもたちに自然経験を。 自然の中での経験は子どもの主体性と創造性を育み、自分の中に確かな何かが育ち、自分の世界を大きくする礎となる。 自分の存在を肯定し他者の存在を感じる力、未来を感じ未来をつくる力を応援しています。 ■目的■ (1)子どもたちの個性を尊重した自然環境教育を通して、自分で考え行動する力や社会に主体的に参加する力が育つことをサポートします。 (2)持続可能な社会のための環境教育を行います。 (3)農村の豊かな自然環境や日本の伝承文化を次代に引き継いでいくことを目指します。 他 ■具体的には何を?■ (1)自然体験(宿泊キャンプや1dayキャンプなど) (2)環境教育(地球環境教育やエネルギー環境教育、森林環境教育など) 単なる自然体験ではなく、農業体験や林業体験、生活体験、ものづくり体験、異世代異学年による交流体験など、自然経験という”生きる力”となってほしい。 ■遊びの大切さ■ 1、遊びは集中力を高めます。 2、遊びは体力を養います。 3、遊びは発想力と展開力を養います。 4、遊びはコミュニケーション力を高めます。 5、遊びは将来何かをはじめる自発性の原動力となります。 |
自然環境を子どもに伝えて行くためのルール |
1、禁煙(喫煙される方は携帯灰皿をお持ちください) 2、ペット禁止(ペットは車内のみで) 3、アイドリングストップ 4、ゴミは持ち帰る 5、植物や昆虫の無許可採取禁止(すべて私有地です) |
何度もあった | ときどきあった | あまりなかった | 全くなかった | ||
海、山、湖、川などで遊んだことがありますか。 | 富山県 | 46.7 |
34.3 |
15.0 |
4.0 |
全国平均 | 50.6 |
33.8 |
12.2 |
3.3 |